2019年08月30日

ソフトウェア開発のトップに必要なある条件


私自身が色んなトップの人達をインタビューしてまわったというような訳でも無いので、あくまで今まで眺めて来て思う事に過ぎないのですが、先月のセブンペイの騒動を見て、やはり改めて思いを強くしたので述べてみたいと思います。
セブンペイの件について知らない人はいないとは思いますが一応貼っておきます。
「二段階認証を知らない?」 セブン・ペイのセキュリティ意識の低さに呆れ声(2019年7月4日)|BIGLOBEニュース

トップに必要なある条件


セブンペイの問題は一つには例によって「要件は誰が固めるべきなのか」の問題が起きていそうです。そしてもう一つが今回説明するトップの条件の問題です。それは結論から言えば
ソフトウェアを開発した経験
という事です。

勿論今回のセブンペイなんかは開発する企業では無く運用するだけだとは思いますが、少なくとも自分達のオリジナルのシステムを作ったはずです。実際に作ったのは外注でしょうけれども、自分達で作った(内作)のか外で作ったのかはあまり関係ありません。出来合いのソフトウェアを買って来て備え付けただけというのではなく、自分達用に新しく作ったという事がここで言う「開発」に該当します。

なぜソフトウェアを開発した経験が無いと駄目なのかというとそれは「完成のイメージが違う」からだと思えます。何が違うかと言うと具体的には次の二点です。

一つには「完成」と言われた時の「出来栄え」のイメージの違いです。
普通の商品ならば出来上がったものを触ったり使ってみたりして、自分自身が一ユーザーとして良い商品に仕上がったかどうかの感触がある程度掴めるものです。ところがソフトウェアの場合には素人が少々触った程度では真の出来栄えは分かりません。形のある商品と同じ感覚で出来栄えを判断すれば大きな間違いを犯す可能性があります。今回のセブンペイの件は外から見た限りではこのパターンに近いのではないかと思われます。

もう一つは「完成」と言われた時の「品質」のイメージの違いです。
全ての工程が終わってテストもパスして、実際に動かしてみれば確かにちゃんと動いていて、それで、いざリリース(出荷)となれば普通の商品の感覚ならばもうほぼ終わった感覚ではないでしょうか。ところがご存じの様にソフトウェアの場合にはリリース後に品質問題を発生させたり機能の追加要求が沢山発生したりしてしまいます。普通に、出荷さえ達成できればいいという感覚では、その後にとてつもない事態に陥る可能性があります。

ソフトウェアと他の商品とは違う


ソフトウェアは明らかに他の商品とは違うと思います。形のある一般的な商品ならば発売後に問題が出たら回収(リコール)騒ぎになります。ところがソフトウェアの場合は動かない事があるのは当たり前です。当たり前なのでユーザーの方が起動し直してみるとかマシンを立ち上げ直してみる等というテクニックを身に付けている始末です。ソフトウェアがほかの商品とは違うならば、その開発には特有の事情があり特有の感覚があるはずです。

ある派遣会社さんの話なのですが、そこの社長さんが派遣だけでは物足りなくて、社員も派遣先で色々と技術を身に着けて来たので、もう自分達でも作れるだろうと判断して、オリジナルのシステムの開発に乗り出しました。しかし結局まともなものに仕上がらず、会社が傾く程の大赤字に陥ってしまいました。「言われたものを作る」のと「自ら作る」のでは全く別物だったという訳です。残念ながらこの社長さんはソフトウェアの技術者では無かったのでその辺の感覚が分からなかったのではないかと思えます。

冒頭で「ソフトウェアを開発した経験が必要」と分かりやすく言いましたが、より厳密に言えばソフトウェアを開発する恐ろしさが分かる人間という事になるかもしれません。そういう恐ろしさが分かるのは普通は自ら経験している人だろうという事です。
ソフトウェアを開発する特有のリスクが分かる人間が経営判断をしなければ大失敗をする可能性がかなりあるように思えます。

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posted by 善 at 18:52 | Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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