2019年01月11日

UIについて-機能


初めての方はこちらを「はじめに

UIについて-概要」からのつづき

前回は全体について概要を述べましたが、今回は「機能」部分について掘り下げてみたいと思います。

人間向けとは何か


前回の機能に関する説明を一言で言えば
本体の機能を人間向けの形で提供する事
となります。
そして人間向けというのは人間の特性を理解していなければ作れません。
では人間の特性はどういう要素かと言うと、個人的には以下の三点に集約されるのではないかと思っています。
    ミスをする
    経験的である
    情緒的である
一つずつ見て行きたいと思います。

ミスをする


勿論機械でもミスはゼロではありませんが、人間のミスは日常的なもので、ミスがあるという事を織り込み済みにしなければ成り立ちません。
例えば人がファイルを削除する操作をしたらダイアログで「削除していいですか?」のように確認されたりします。これがプログラムからの削除関数のコールならば確認などは無くそのまま削除されます。人間の場合にわざわざ「削除していいですか?」と確認するのは人間がミスをするからに他なりません。
入力チェックも同様です。プログラムからデータを受け取る場合にはチェックが無くても大丈夫なように作れますが、人間からデータを受け取る場合には必ずチェックが必要です。
それはミスをするからです。

突き詰めて考えれば人間からのWrite(操作)は全てチェックしないといけないという事になります。全部チェックしなければいけないなんてプログラムからすれば人間という接続先は何とも手間のかかるプログラムです。

この煩雑なチェックを一遍に解決する方法がUndoです。ミスはさせておいて、その代り元に戻せるようにしようという訳です。こうすれば一々チェックをしなくとも好きにやらせておけばいいという訳です。
しかしUndoも万能ではありません。Undoが有効なのは人間がミスをしたと気付ける場合に限ります。例えばデータの入力時などでは入力時にはミスに気付かずに、そのデータを使用した実行時にエラーになって初めて気付いたりします。従って「なぜ引数の型宣言は必要なのか」で述べた原則に従って入力時にチェックが必要になります。

経験的である


人間は論理的な思考が苦手です。経験的な判断が優勢です。
例えば実行中にカーソルの形状を変える場合を考えてみてください。実行中はカーソルの形状が砂時計になって、終了したら元のカーソルに戻るのだとしても
人間は
    実行中=砂時計
    元の状態=元のカーソル
という論理式を無条件に受け入れるのは難しいのです。
日常生活での経験から、終わったら「一声かけてくれる」のに慣れているのです。ですから実行が終了したらダイアログで「終了しました」と一声かける必要が出て来たりします。
先程同様プログラムならば関数をコールして戻って来たら、それは即、終了を意味していて何のためらいもなく次のステップに行くはずです。
人間の経験的な感覚、判断を考慮してあげる必要があります。

情緒的である


最後は漠然としていて自分自身あまり確定的な事が言えません。本来は心理学の出番かもしれません。
個人的に一つ認識しているのは「不安」についてです。人間は未知のもの、分からない事に対して本能的に不安があると思われます。ですから分からない状態というのを極力解消してあげる必要があり、その為にはなるべく情報を提供してあげる必要があるという事です。

先程と同様に実行中の事を例に考えると、カーソルが砂時計になったりアイコンがクルクル回ったりすれば「実行している」というのは分かりますが、「今、何をしているのか、どういう状態なのか」は分かりません。ですから時間が経てば経つほど分からない状態が長引いて不安が増大して行きます。
この不安を解消する為にはプログレスバーなどのインジケータ―を表示して、随時どういう状態(どれ位処理している)かという情報を提供してあげる必要が出てきます。

先程の「終了後のダイアログでのメッセージ表示」も情緒的な意味合いから捉える事も出来ます。つまりカーソルの形状が変わる事よりもダイアログの方がはるかに多くの情報が提供できていますから、より不安が少ない方法だと考えられます。

ターゲットとなるユーザー像が必要


以上人間向けの一般論を述べましたが、実際は製品をどういうユーザー向けに提供するのかを明らかにする必要があります。
マーケッティングでは対象とする顧客像をペルソナと呼び、詳細に、具体的に人物像を設定しますが、ソフトウェアの企画でもユーザー像を明確にする必要があります。それはITに対するスキルがどれ程あるのかなどによってどのレベルまで配慮しなければいけないのかが大きく変わるからです。
例えばソフトウェアの操作に十分慣れているならば、それこそもはや「経験的」になっている訳なので、アイコンなどの記号的な情報だけで十分であって、わざわざダイアログでメッセージを出したりする必要はないかもしれません。逆に不慣れなユーザーを対象にするならば多くのメッセージを出す必要があるかもしれません。
この様に対象とするユーザーによって仕様が変わりますから、企画の段階でターゲットとなるユーザー像を明確にする事は重要です。それをしないと特にUIの仕様はふらついてしまいます。

次回はUIの「性能」部分について詳細に見て行きます。


シリーズ


1.UIについて-概要
2.UIについて-機能
3.UIについて-性能・前編
4.UIについて-性能・後編

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posted by 善 at 15:01 | Comment(0) | 仕様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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