2016年04月12日

なぜ予定より早く終わる事がないのか


初めての方はこちらを「はじめに

素朴な疑問


前回の記事で大きな壁に突き当たって答えが見えないまま前に進む決意をした事を書きました。しかし、前に進むといっても一体何に取り組むべきなのかが今一つ判然としませんでした。
今解決したい最大の課題は日程が遅れるという事なので何故遅れるのかの原因分析を掘り下げるべきなのは確かなのですが、実は何故遅れるのかという事自体については以前から既に色々と考えて来ていて大きな原因としては日程自身の長短というよりは作業項目自体が抜けているパターンが多いという結論に至っていました。言うなれば想定外の事が発生してその対応を入れ込むので必然的に遅れるという事です。

原因は仮にそうだとして、では対策はどうしたらいいのでしょうか?
想定外の事を想定出来る様にするには...?
なかなか難しい問題です。
かなり大掛かりに取り組めばもしかしたら答えの出る問題なのかもしれないですが、前回の記事で書いた様に組織としてその様な余裕があるはずもありませんでした。そんな感じで具体的に何に取り組めば良いのかを考えあぐねていた時にふと素朴な疑問が思い浮かびました。
「なぜ予定より早く終わる事がないのだろうか?」
この表現は少し回りくどい言い方ではあります。表現としては「なぜいつも遅れるのだろうか?」と同義なのですが、そう書くと日程が遅れる原因を直接的に説明するような誤解を与えると思ったのでこの様な表現になりました。ここで問題にしているのはそのような事では無くて、
立案した日程に対して遅れる事はあっても早まる事が無いのは何故だろうか?
という事です。
つまり単純に計画の精度が悪いというだけの話ならば遅れる確率と早まる確率は同じじゃないだろうかと思った訳です。
仮に日程通りぴったりに終わる事を精度が完璧だと考えれば、精度が落ちて誤差が一日だとしたら日程に対してプラスマイナス一日になるはずじゃないでしょうか?一日遅れるかもしれないし一日早まるかもしれません。誤差一週間だとしたら最大一週間遅れるかもしれないし一週間早まるかもしれません。普通に理解している「精度」という概念だとそういう事になります。それにもかかわらず実際にはほぼ遅れるパターンしかありません。
一体これはどういう事なのでしょうか?

一筋の光


これは素直に考えると「精度」の問題では無いという事になります。変な言い方をすれば日程を立てた全員が「正確に」短めに見積もったという言い方ができます。全く奇妙な話ですがそういう事になります。

実はこの点に気付いた事が自分にとっては非常に大きな意味がありました。この疑問から導き出された結論は、日程に関してサイコロを振る様にランダムで当たるも八卦当たらぬも八卦という制御不能なものではなく、皆何かしらちゃんと制御をしているという事でした。つまりソフトウェア開発の計画には何かどうにも制御できない不確定な要素が内在していてそれによって必然的に精度が上がらないという事ではなく、単に見積もりが「間違っている」という事になります。
この事に気づいた時、まさしく暗闇に一筋の光が射した思いがしてはじめて「なんとかなるかもしれない」という希望的な気持ちになりました。前回の記事の例えで崖の中腹から何も見えないがジャンプする決意をしたと述べましたが、今回の心境は飛んでみたら何かにしがみつけたという感じでした。

何故短い側なのか


ちなみに、なぜ長い方側ではなくて一律に短い方側に見積もってしまうのかというと、これは心理的な要素が大きいのではないかと思っています。
その要素とは一つには優秀であろうとすればより短い日程で無ければならない訳で、自分を良く見せたいという本能に近いような欲求に無意識のうちに従っているのではないかと思われます。(別の機会でまた触れる事になるとは思いますが、この「見栄を張る」という人間の心理は非常にやっかいなしろものです)
もう一つには期待された日程に比べて長い日程を主張するという事は最低限その場で議論をしなければならないし、場合によっては揉めてしまうかもしれません。それに比べると日程が少々きつそうに思えても「大丈夫です」と言っておくととりあえずその場では何も起きずに滞りなく次に進むので、これまた誰しもが持つ平穏を求めるという心理的な傾向から長い日程は主張しづらく短い日程が主張し易いのでは無いかと思われます。
以上が自分が考える心理的な要因なのですが、不幸な事に慢性的に日程が遅れる組織ではこれらの要因が更に働きやすくなると考えられます。何故なら遅れる事が日常になってしまうと組織の全員が遅れるという事に対して「仕方がない事」だという感覚になってきてしまい、その為に最初の日程の見積もり時にもシビアさが欠如してしまいます。例えばどんな事があっても一度宣言した日程は絶対変更できないという状況と「遅れた場合は調整しましょう」という状況では日程を見積もる際の心理的な状態はやはり違うのではないでしょうか?

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posted by 善 at 23:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 計画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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